LosSantos AutoMagazine

GTA5PC版初心者が書くGTA内の車を取り扱う自動車情報サイトです GTA5にてadd-onで追加できるバニラワークスの車とDLC新規追加車両を中心に現実の車情報誌と同様にレビューして参ります。 モデル車両とのスペックや史実との乖離はご容赦ください。

アメリカン魂の結集。往年のマッスルカーここに復活 2015年式 ブラヴァド バッファローSTX

ブラヴァバッファローSTX

f:id:hassan114514:20220303221054j:plain

アメ車といえば何を思い起こすだろうか?ピックアップ?それとも大型SUV?いや、多くの人が出すであろう答えは「マッスルカー」である。

今回紹介するのはマッスルカー全盛期を牽引した車種の一つであり、現在のマッスルカー市場をホットなものにしている一番の車、ブラヴァバッファローだ。

f:id:hassan114514:20220303221101j:plain

スペック
全長:5084mm
全幅:1905mm
全高:1485mm
ホイールベース:3054mm
車両重量:2000kg
エンジン:6.4L V8 OHVエンジン
排気量:6400cc
最高出力:485hp/6000rpm
最大トルク:475lb-ft/4200rpm
トランスミッション:8AT

 

試乗インプレッションに入る前に、まずバッファローの生い立ちとその歴史を振り返っていこうと思う。

1955年、ヴァピッドが発表したドミネーターは多くの若者の心を掴んだ。勿論この状況を見た国内の他メーカーは追従するようにマッスルカーを続々と発売した。デクラス、インポンテ、クラシック、シャイスター…そしてブラヴァドもだ。

1964年、ブラヴァドはオートショーにてバッファローのコンセプトを発表する。翌年にはより市販モデルに近いバッファローⅡを発表。その後販売店の要望に合わせ調整を行い、1966年、初代バッファローは発表された。全グレードでV8エンジンを搭載し、更に最高グレードであったA/Cは7L 450psという当時最大級のスペックを誇った。バッファローは当時の若者たちを瞬く間に魅了した。

しかし1970年にオイルショックを受け、年を経るごとに徐々にパワーダウンが行われた。続く2代目では、2ドアハードトップのFRであった先代から大きく様変わりし、FFの3ドアハッチバックとなってしまった。その頃に高品質かつ低価格の日本車が上陸し、国産車の売れ行きは大きく悪化した。そして1987年、バッファローは販売を終了してしまう。同時期に多くのマッスルカーが姿を消していった。

f:id:hassan114514:20220303230921j:plain

FFの3ドアハッチバックとなった2代目バッファロー
当時大きく力を伸ばした日本車には太刀打ちできず販売は低迷した。

だが光はまだ潰えていなかった。2005年、ヴァピッド社が打ち出した「リビングレジェンド戦略」によりマッスルカー最盛期の1960年代と同様のテイストを残したデザインを纏ったドミネーターが発売。それに続くようにしてブラヴァドも新型バッファローを同年に発売した。

3代目バッファローは当時のマッスルカー復古の流れによりバッファローは大きく売り上げを伸ばし、当時経営危機にあったブラヴァド社をガントレット、バイソンとともに支え、多くの特別仕様車も作られた。

そして2011年に4代目が発表される。このモデルに設定されたSはスーパーチャージャー付きV8エンジンで470馬力を誇り、4ドアサルーンとしては規格外の車であった

f:id:hassan114514:20220305220006j:plain

さて、前置きはここまでにして今回試乗する2015年式バッファローSXTについて話そうと思う。

2015年実施されたビッグマイナーチェンジはほぼモデルチェンジといっても過言ではないほどの大規模なものであり、大規模なフェイスリフトが敢行された。グレードもSはSTXに名を変え485psにパワーアップした。今回はこのSTXに試乗していきたいと思う。

まずはエクステリアを見ていこう。

f:id:hassan114514:20220303220901j:plain

69年式バッファローのエクステリアをモチーフにデザインしたとデザイナーは語っており、その年代のマッスルカーのように筋肉質かつアクティブな雰囲気が感じ取れる。フロントは先代よりノーズが低くなり、それによって迫力がありながらすっきりした印象だ。リアにはディフューザーが装着され、4cmのデュアルマフラーも備えられる。ただ他のマッスルカーと比べると柔和な印象を受け、この車が485psという強力なパワーを発揮するとは見た目だけでは到底考えられない。

f:id:hassan114514:20220303220841j:plain

f:id:hassan114514:20220303220832j:plain

f:id:hassan114514:20220303220854j:plain

インテリアは若干チープ感は否めないもののそれでこそブラヴァドの車だと言えよう。しかしバッファローより高額なバンシーよりも質感は高く、インテリアは殆どガントレットと共通で大部分がプラスチックを占めるものの所々でレザーが用いられている。ステアリングには各種コントローラーが装備され、パドルシフトも備えられているなど装備もマイナーチェンジ前より大きく改善されている。

着座位置がマッスルカーの中でもおそらく最も高いがその高さがまた絶妙であり、乗り降りのしやすさに加え、低くなったノーズフードも相まって抜群に運転がしやすい。シートもしっかりとしたホールド性があり、座り心地も非常に良い。

f:id:hassan114514:20220303221021j:plain

フロント、リア共に245/40ZR20インチのタイヤを装着する。

f:id:hassan114514:20220303221033j:plain

トランクには我々中年層に必須なゴルフバッグも詰める広さがある。

 

座席に座り自然吸気6.4L OHVエンジンを始動させる。エンジンから直接届く音と周囲の壁から反射する音の二重奏を聞くだけで気持ちが昂る。ブラヴァド伝統のV8エンジンは今も昔も変わらず私たちをあっという間に子供にさせるのだ。

運転モードをストリートにセッティングして走り出す。走り出しは意外と落ち着いており、そこまでのパワーは感じられない。しかし車重が2000kg近くあるということを鑑みるとスムーズな走り出しで重さは感じられない。シフトの感覚も滑らかで4~6速を行き来する。落ち着いた走りに若干物足りなさを感じつつ2kmほど走らせると、少々空いた道幅のある道に出た。ここでアクセルを少し踏み込んでみる。

...驚いた。アクセルペダルをほんの少し踏み込むだけで隠れていた本性が垣間見える。獣の咆哮のようなV8エンジンの唸りとともに一気に加速し、私の体はたちまちシートに押さえつけられてしまった。65.7kgf・mものトルクはもはや官能的であり、私たちをパワーの沼へ誘う。これまでに乗ってきたこの車よりパワーの少ないクルマ達がまるで遊園地の幼児用カートだったのではないかと感じるほどであった。

f:id:hassan114514:20220303220919j:plain

乗り心地は先代と比べると大きく改善されており、程よくセッティングされている。スポーツモードにすると接地感が増し、地面を踏みしめるようにして走る。ただ流石にトラックモードでは一般道を流すのには硬すぎる。

今モデルから新たに設定された8速ATはこのエンジンと抜群の相性を見せ、特にトラックモードではしっかり高回転まで回ってくれる。

f:id:hassan114514:20220303221046j:plain

高速でのクルージング性は素晴らしく、日本車やドイツ車の大型セダンに匹敵するほどであると思う。それでいて踏み込むとおどろおどろしいエキゾースト音がダイレクトに私の脳髄に響いてくる。この強力な暴れ牛を押さえつけるブレーキもまた強力で6ピストンキャリパーのブレーキはズドンとした感覚とともにしっかり止まってくれる。

 

さて、今からはマッスルカーらしいお遊びをしてみようと思う。

ブレイン郡のサンディー海岸飛行場に到着した私はセッティングをトラックモードにしてアクセルとブレーキを同時に踏む。最大回転まで回ったところでブレーキを離す。

その瞬間フロントタイヤが浮き上がる。これこそがマッスルカーの古来よりの楽しみ方。ウィリーだ。

f:id:hassan114514:20220303220818j:plain

最大3フィートもフロントを浮かせて走らせられる車はこの世にはほとんどないであろう。そこからの加速も凄まじいものであり、アクセルを踏み込むたび私の顔は変形した。

滑走路の端に近づいたところで一気にブレーキをかけて止まる。私はまるで新しいおもちゃを開封したばかりの子供のように楽しみ、体が疲弊するころにはすっかり夕方になってしまっていた。

f:id:hassan114514:20220303220726j:plain

これほどまでに楽しめる車にも関わらず、ブラヴァドが定めたプライスタグはなんと38,125ドルであり、4万ドル以下で購入できるのだ。この価格帯はカリン・アステロープやウィーニー・イッシーとほぼ同じである。ロスサントス市内でよく見かけるそれらの車とV8エンジン搭載のハイパワーセダンが同じ価格で買えるということに驚きを禁じ得ない。なぜこちらを買わないのか甚だ疑問である。

しかし、このバッファローにある大きな欠点がある。それはガントレットには設定されているヘルファイヤが設定されていないということだ。ただその欠点もまもなく解消されるであろう。地獄の炎はもう既にすぐそこまで来ている。