LosSantos AutoMagazine

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無個性こそ個性?アメリカで愛されるジャパニーズ・サルーン 2002年式 カリン アステロープ GZ

カリン・アステロープGZ

 SUVの台頭にあたり、国内を始めようとする各自動車市場では「SUV売れない」と言われようになってしまう。その市場の動きに伴ってヴァピッドは国内におけるセダン、コンパクトカー市場から撤退し、デクラスも引き続きこうとしている。

 以前、毎年コンスタントに売れ、国内の自動車販売台数ランキングに数十年トップ10入りし続けているセダンが存在し、その車はこれアメリカにおけるセダン市場の王座に20年以上君臨している。はカリン・アステロープである。

 この日本製セダンがいかにも20年以上も国内で最も売れているセダンとなっているのか、その驚異的な記録の歩みとなった2002年後期アステロープに試乗し、考えていきたいと思う。

スペック

全長:4805mm
全幅:1795mm
全高:1480mm
ホイールベース:2720mm
車両重量:1530kg
エンジン:3.0L V6 DOHC
排気量:2995cc
最高出力:192hp/5300rpm
最大トルク:290Nm/4400rpm
トランスミッション:4AT

 

今回試乗するのはカリン製3.0L V6エンジンを搭載したグレードであるGZだ。正直言って個性というものがあまりなく、あまりにも無難で没個性である。たとえスポーティーさやスタイリッシュさは少なく斬新さに欠ける。

 内装も非常に簡素である。 この車はカリンの高級車ブランドであるエンペラーのロークスのベースとなっており、ロークスと比較するととにかく車感が強い。

 しっかりと運転席側のみパワーシートとなっており、視聴横にはダイヤル式のランバーサポートがございます。またこの時代の日本車にはアメリカ市場のために作られた車であるため、我々ウエスタン人が乗っても狭さを感じない。 実際、敷地の果てと全幅は同時期のオベイ・テイルゲイターに敵対する。

 後席も痛くなく広い。左右のドア間は約150cmもあり、膝前、頭上ともスペースは十分である。サイドウィンドウがわずかに内側に倒れ込むが、かなり大きな窓による開放感の方が強くなった日本車特有の設備の多さは健在で、フロアコンソール後端には後席用エアコン吹き出し口があり、ISOFIX対応チャイルドシート用固定バーのみ、シートベルトが首にあっても大丈夫高いさを調整する「チャイルドコンフォートガイド」がいっぱい。

 そして特筆すべきはこのトランクである。 リアゲート開いた瞬間、私の口について出た言葉は「広い」であった。 上下方向は標準的なミドルサイズセダンの広さであるが、前後方向「ラージセダンも凌ぐ約587リッター(VDA法)の大容量」という謳い文句は嘘ではない。

 搭載される3.0L V6エンジンはロークスにも搭載されるカリンご自慢のミドルクラス車用エンジンである。192馬力を発揮するこのエンジンの魅力は何と言ってもカリンお得意の低燃費である。はこのクラスのV6としては低燃費ナリッター11キロを叩き出す。

 さて、実際に試乗していく。 乗り出すとわかるのはこの3.0L V6エンジンの優等生ぶりだ。 静かに、かつ中速域でトルクがあるエンジン。 V6らしい歓声とともにエンジンが上がる。スロットルを踏み込むバーレッドゾーン手前の6000回転までスムーズに回り切る。4速オートマチックのマナーも完璧でトルク重視のエンジンとの相性もいい。

 乗り心地に関しても、十分に緩やかで快適。 電子制御のサスペンションの設定はやや気になるが、ハンドリングは全く素直で、従順だ。 正直私のような車好きが楽しめる車ではないと考えていたが、それは間違っていたのだ。

 この車がなぜアメリカ国民に永く愛されるのか、今回の試乗全体を掴んだ気がする。スタイリングは没個性的、エンジンは優秀だが特筆すべき点はなく、車自体の個性はあまりない。スポーツもよくできた優等生だったのでどうしても顔と名前が思い浮かんだ同級生という感じだ。

 しかしよく考えてほしい。車を買う大多数の人は車に趣味など求めていないのだ。 カリンがアメリカにアステロープを上陸させた1980年代、日本の自動車産業が衰退した時期だった。オイルショックや排ガス規制強化により、国産車はそれまでのハイパワー、フルサイズ主義から変革を強くされ、かつ当時のアメリ自動車産業は経営難、商品開発の失敗などにあえいでおり、小型で性能のいい日本車やドイツ車にシェアを奪われていた。 軽くて燃費が良く、排ガスもきれい、装備も良くて壊れない。 そんなアステロープは我々の目には驚異的なものに映ったものだった。無個性。だけど経済性も高いいい車。 そんな多くのアメリカ国民のニーズを満たした車こそがこのアステロープだったのだ。

 ここで余談だが、中東では王族の間でこの型のアステロープを使い、広い直線道路上で、左右交流で車をドリフトさせる高速タフィートという行為が人気らしい。